“こそげる”には、2つの意味があります。
1.鍋底についたものをへらでこするように取ること。
2.ゴボウなどの皮を包丁でむいてしまうのではなく、
包丁の背(峰)で表面をこすって不要な部分のみをむくこと。
1.とは例えば、ホワイトシチューやカレー、ホワイトソースなどの小麦粉を使ったトロミのあるものを煮込んでいくと、どうしても鍋底にうっすらくっつきはじめてしまいます。これをほったらかしておくと、必ず焦げてその料理は台無しに。そのため、焦げ付く前に木べらでこすります。これを“こそげる”といいます。
2.について、ゴボウは外側の皮がおいしいのですが、皮を普通にむいていると、もともと細いため、食べるところがほとんどなくなってしまいます。そこで、包丁の背を当ててこすると、表面のボコボコしたところだけがむけてきます。これを料理の本では“ゴボウは包丁の背で皮をこそげる”といいますが、最近のゴボウは、タワシでゴシゴシこするぐらいのほうが香りがあって美味しいのです。