固く泡立てるの“固く”というのは、泡立て器を持ち上げても泡立てた白身が落ちなくなった状態のことをいいます。
スポンジケーキなどを焼く時に、よく“卵白を泡立てる”“角が立つまで泡立てる”といった表現が出てきますが、本物のツノが生えてくるわけではありません。また、固く泡立てるといってもカチンコチンに固くなるわけでもありません。
透明でドロリとした白身を、カシャカシャと空気を入れるように泡立てていると、あの透明卵白が、やがて真っ白のほわほわに変化し、そのうちにキメ細やかな表情になって、ホイッパーをそっと持ち上げると、ツノがたったような形へ変化した時が止め時です。量も4〜5倍くらいに増えて、見た目は青空に浮かぶ雲のような感じに。
いつまでもしつこく続けていると、卵自身で膨らむ力を損なうことになってしまうので要注意。ことに、卵白の威力を発揮するシフォンケーキはこの泡立ての加減で味が決まります。また、スポンジケーキやシフォンケーキ、スフレは白身の泡立てなしには焼けません。