調理の前の取り扱い
秋刀魚と鰯、漢字で書くと、イメージはまるで正反対。しかし、青背の魚というくくりも同じですが、扱い方もかなり似た存在。秋の魚は脂にのって実に美味しいこと極まりない。
昨年の男子限定アンケートで、好きなおかずのベスト10の中にも、さんまの塩焼きをあげる人は多く、昔から美味しいものは、時代が変わっても変わりません。
さて、築地の若手番長こと、お魚マイスターの平田雄二氏によれば、本来、食べる直前まで、どちらもお魚にとって冷た〜い海水の中にいること(魚がお亡くなりになってからもです!!)が美味しさを保つ秘訣だそうです。
しか〜し、海水などというのは、海岸のそばに住んでいる人以外はといてい無理。じゃあ、どうするか。いわしもさんまも、すでに海水から出て、横たわって売っているわけですよ。小売りの魚屋さんだと、氷の上に乗っかっているから、まだいい。
これがマーケットになると大抵、プラスチックのトレイの中に横たわりラップで何時間も覆われ、挙句の果てにはお家にはこばれ、そのまま冷蔵庫にしまわれていく。
これは秋刀魚にとっても、鰯にとっても最悪の環境になり、せっかくおいしい状態で、人の手元近くに来ても、どんどんおいしさは時間をおって失われていきます。
じゃあ、どうするか!!最悪の環境に置かれていたお魚さんたちも、おうちに帰ったらすぐに、まずはバットなんかに海水位の塩水を作る。
大抵の人は海水の塩加減は分かるだろうから、適当に粗塩を水に溶かして、指でペッとなめてみる。律儀に計らなくてもいい。これ、海の水に近いという体の間隔でOK。
日本でも内陸部に住んでいる人達は、案外海水が分からない場合は、3カップの水に対し、大さじ1の粗塩と覚えておく。
その塩水に魚をつけて、ラップなどで覆い、冷蔵庫に食べる直前まで入れておく。魚が塩水より、顔を出すようなら、魚が覆われるまで塩水を足す様にします。
但し、魚といっても、切り身の魚はしてはいけません。皮も身も柔らかな秋刀魚(さんま)・鰯(いわし)に限ってのお話。
また、鰯も秋刀魚もそのまま冷蔵庫に家庭で入るサイズですが、ぶりや鯖になると、同じ青背の魚でも大きすぎて、非現実的な話ですので、そこは神経質になりません様に。