秋なすび 皆で食べよう 旬の味

【秋茄子は嫁に食わすな】
日本で有名なことわざです。<茄子は冷えるので、妊婦になるかもしれないお嫁さんは食べないほうがいい>という説と、<嫁には食べさせたくないほど美味しい秋の茄子>という意地悪な説とあり、どちらがほんと?と常に茄子好きの間では話題に上ります。

KATSUYOレシピでは、どちらも正しいという見解でいこうかなとおもいつつ、少し茄子について触れてみましょう。実はこの“茄子”こんなに小さな日本の中でも、それぞれの地方で様々な伝統茄子が作られています。ここではどこの地方でも一年中出回る千両茄子(中長茄子)を中心にお話ししましょう。

茄子は夏からが旬が始まります。秋になると皮はかたくなりますが実は詰まり、アクも強くはなりますがぐぐっと美味しくなります。ことに9月後半から10月にかけての秋茄子はアクが強いので、切り口から色が変わらないようにすぐにたっぷりの塩水につけましょう。二つ切りくらいなら10〜20分、小さく切ったものなら10分以内に引き上げて、水けをふいてから使います。

千両茄子は地元茄子と比べて、実がスポンジ状になっていて油をとても吸いやすいので、調理をするときに質のいい油を使うことは味の決め手にもなります。また、実のやわらかさから美味しい煮汁も吸いあげるので、煮物にしても実に味わい深く、熱々もいいのですが、冷めておいしい煮汁がしみこんだお味のすばらしさったら!!

茄子は世界中で食べられている野菜。料理によっては皮をすっかりむいて作る料理もたくさんあります。それには、この秋茄子がぴったりともいえます。包丁でうすーく剥くのは難しいので、よく切れるピーラー(皮むき器)で皮をむいていきます。この時も色止めとあく抜きに塩水に入れることを忘れずに。

ページ後半に『鮮度の良いなすの見分け方』もご紹介しています♪

和で食べる秋なすび

洋で食べる秋なすび

中華で食べる秋なすび

なすの鮮度について

茄子は朝、露が付いている早朝にもぐといわれています。露でとげが多少やさしいうちに収穫していくそうです。そして、鮮度の良し悪しは色の鮮やかさで見分けます。黒っぽくてわからない?という声が聞こえてきそうですが、よく見てください。ヘタがしおれてない、あの紫紺、茄子紺、黒紫が美しいですか?ハリと艶があるか、じっと観るときっと分かります。

鮮度のいいうちに食べられない時は、乾燥と低温に弱いので、ポリ袋や密閉袋にいれて野菜冷蔵庫か、風通しのいい陽があたらない涼しいところに置いておきましょう。保存期間が長いと中の種部分の色が変わってきますが、傷んでいるわけではないのでくれぐれも捨てないように。

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