春に出る小さく水分の多い新じゃが、初夏に出まわる新芋に、夏を越え秋まで成長させた大きめのお芋、愛嬌たっぷりの風貌ですよね。
季節によってそれぞれに味がありますが、秋から冬にかけて収穫されたじゃが芋を、日に当たらないようにベストな環境に寝かせ、余分な水分を落ち着かせると、ほっこり美味しい状態になります。
それが一斉に出荷されて出回るのが、秋も深まった頃となります。
じゃが芋は一年を通して八百屋さんに並びますのでずーっと美味しく食べることが出来ます。
一般的な買いもの方法としては、芽が出ておらず、凸凹の少ないもの、傷のないものが優良な芋とされていますが、これは値段とも比例していきます。そもそも、凸凹のない男爵というものに出会うことはそう多くはありません。
ハンサムではないけれど、すごくいい男性のことを、じゃが芋の男爵にたとえた時代もありました。
このような女性のあいだで流行った比喩表現にみられるように、多少の凸凹男爵の中にも、美味しいものもあるのです。
ただ、ふかして塩を振って食べるのなら、お芋の品質にこだわってもいいかもしれませんが、美味しく食べるために、料理という技術が存在するのです。
芽が出てしまった保管の状態が悪い芋以外は、そのほとんどが美味しく食べられるはずです。