ほうれん草

ほうれん草は世界的に食べられていますが、日本では、昔から家庭の食卓に登場していると思われる『ほうれん草のお浸し』、シンプルな料理ではありますが、だからこそ、出来不出来に差がバーンとでる料理だということをご存知でしょうか。

良く出来たほうれん草のお浸しは、噛むほどに広がる甘さ、心地のいいほんの少しの土臭さ、歯切れのよさは、ほうれん草の魅力をいちばん伝えることの出来る料理ですね。


1 歴史
 起源は、西アジアトルコやアフガニスタンやトルコとも言われていて、それこそ11世紀くらいから食べられていたみたいです。

ペルシャで栽培されていたものがイスラム教徒の聖地巡礼で東西に広がったと言われ、東はシルクロードを経て唐代の中国に伝わったのち、はるばる東洋種が日本へは江戸初期にやってきました。明治に入って西洋種がはいり戦後は交配種が主流となっています。

しかし、日本で本格的に食べられるようになったのは、戦後、ある年齢から、上の方は記憶にまだ新しいかと思いますが、アメリカ漫画の“ポパイ”このポパイさんが敵をやっつけるのに、ほうれん草の缶詰をポンと開けて、パクッと食べると、パワー全開になり、元気100倍になって相手をやっつけるいうもの。

あの漫画(いまでいうアニメ)の人気とともに、ほうれん草の人気は日本で急上昇していったと思われ、ほうれん草を食べると元気になるといった不思議なジンクスを今の50代から上の方はいまだにそのイメージを持っておられる人も多いかもしれません。

もっとも、ポパイのほうれん草は缶詰で、いかにもアメリカ的ですよね。日本はやっぱりほうれん草といえば、ゆでて水にさらして、おかかを振って、お醤油をかけて食べる、『ほうれん草のおひたし』のイメージが強いとおもいます。

昔から愛されているシンプルなほうれん草料理


2 種類
 ほうれん草には東洋種と西洋種があります。東洋種は葉にギザギザとはっきりした深い切り込みが入っているもの、西洋種は丸みをおびた葉になります。現在、日本でいまたべられているものは後から入ってきた西洋種との交配種で、丸みをおびたギザギザが、いまは主流で市場に出回っています。

希少価値の高い、東洋種は山形県のみで作られている様ですが、なかなか市場には出回りません。また、軸の赤いほうれん草では、“赤茎ほうれん草”といい、近頃、最近人気のあるベビーリーフの中に入っているのを、みたことあることと思います。“サラダほうれん草”というのは、赤茎ほうれん草同様に、生食用に改良されたものです。

 そして、もう一つの人気ほうれん草は、ここ数年頭角を現してきた、”ちぢみほうれん草”。

寒い環境で育てる品種で、低温の環境で育つので、糖度や甘みが抜群。ひらべったい形で、葉は肉厚なのが特徴の形です。ちぢみほうれん草だけは、冬限定野菜。

茹でてさらして

直火に炒める

とろとろにして使う


2回目 ほうれん草の栄養・薬膳・効用
3回目 ほうれん草の旬・買いもの・保存
4回目 ほうれん草の調理・取り扱い

特集バックナンバー