夏に向けてお腹の調子を整えよう

湿気と気温がぐんぐん上がってジトジトムシムシ。不快指数は極限状態。
クーラーが効いた屋内で“あら涼しい”とほっとひと息ついたまではよかったけれど、今度はキンキンに冷えた体で再び蒸し暑い外へ…。この季節、体は湿度と温度の変化に必死で対応しています。

温度の変化が激しいと体のリズムが崩れやすくなり、外界の湿気が体に侵入し、体内に湿が溜まると、消化器官の機能を低下させ、その症状は胃腸にもっとも現れます。疲れやすい、体がだるい、食欲が出ない、お腹の調子がどうもよくない…、こんな声が1年のうち一番多く聞かれるのは、夏本番前の梅雨の季節です。

今回は、少し弱り気味のお腹の調子を3つに分け、その状態に合わせたおすすめのレシピを考えてみました。

今お腹を調えることは、真夏の暑さに負けない体づくりの基礎準備。夏が旬の食材は、水分が豊富で体の熱を冷ましてくれるものがいっぱい。そんな食べ物を美味しくいただくためにも、つよーいお腹をつくっておきましょう。胃腸は健康の要ですからね。ただし、良いものだからといって、なんでも食べすぎは逆効果ですから、あくまでも程よい量ですよ!

この季節は食あたりや食中毒も起きやすいので要注意。下痢症状が強いときにはお医者さまにちゃんと診てもらってくださいね。
薬膳監修&コラム よしかい ゆき

お腹に力が入らない、調子がおかしいな…と感じるとき

温度の変化が激しくてお腹を弱めた方、とくに、もともと冷え症体質の人は気をつけて!お腹に力が入らない、お腹が冷んやりしている、便が少しゆるめかな、と感じるときは、生姜、ねぎ、青じそ、みょうが、にら、鶏肉、あじなど、体をあたためて血行をよくし、食欲を増進させる食材を、消化のよいものに上手に取り入れてお腹をいたわってあげましょう。

それとは反対にもともと暑がり体質の人が食べ過ぎや飲みすぎでお腹がゴロゴロ、調子がおかしいという場合は、すでに熱と湿気が体内に相当溜まっていることも考えられます。そんなときには体の余分な水分や熱を取り除いてくれる食材、たとえば、冬瓜、白身魚、湯葉、はと麦、あずきなどを食べやすく調理して取り入れてみるのもいいですよ。

ふだんの生活環境と自分の体の状態をじっくり見つめて、今日食べるものはコレ!と自然に決められたらいいですね。


食欲がない、胸がつかえているなぁ…と感じるとき

腸の調子が悪いわけではないけれど、食べたいという気持ちが起きない、胃もたれする、胸やけがする、げっぷやため息がでる、ということはありませんか?

食事時間になっても空腹感がないのは胃が動いていない証拠。やがて消化不良を起こす可能性もあります。食欲不振はダイエットになるからいいわ…などと放っておくとエネルギーが不足してしまいます。
こんなときには、消化を促進してくれる食材を、ツルンと食べやすく調理したり、薬味や香辛料、酢を適度に使うなどして食欲を増進させ、元気なお腹にもどしてあげましょう!消化を促進させてくれる食材は、例えば、大根、かぶ、おくら、梅干し

食べた後に不快感がある、胸やけがする、げっぷが多いという場合は、消化機能に加え、気のめぐりが悪くなっていることが考えられるので、気のめぐりを促進させるものを加えてみたらいかがでしょう。気のめぐりをよくする食材は、らっきょう、たまねぎ、そば、グリーンピース、ゆず・かぼすなどのかんきつ類、ジャスミン、オレンジなどがおすすめです。


最近疲れやすい、ひとふんばりが出来ないなぁ…と感じるとき

気温と湿気が高まるこの季節はただでさえ体に相当負担がかかっています。食欲も普通にあるし、お腹の調子もそこそこだけれど、最近どうも疲れやすい、スタミナが不足しているなぁ、あとひとふんばりができない…と感じるのも無理はありません。

さぁ、そんなときは、疲労回復、免疫力向上、お腹を養ってくれる食べ物を積極的に意識して取り入れましょう。おすすめの食材は、 山いも、とうもろこし、すずき、かつお、いわし、鶏肉、牛肉、うなぎ、はと麦、いんげん豆、かぼちゃ、じゃがいも、 カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、しいたけ、はちみつ、にんにくなどです。

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