湿気はなぜ悪さする?

日本の梅雨は一カ月も続きます。外の湿気が体内に入り込み、停滞することで「湿邪」となって体調に変化を起こします。

湿邪の特徴は重濁性と粘滞性があること。これは梅雨の時期に頭や体が重くなる、関節が痛む、口が粘つく、痰がたまる、湿潤性の皮膚トラブルが起こる、などの症状が現れやすいこととも大きく関係しているようです。さらに「湿邪」は気のめぐりも滞らせるので、みぞおちあたりのつかえ感や胸くるしさを感じたり・・・、どうりで梅雨はしんどいわけです

湿邪の性格はかなりしつこいため、時間をかけて外湿が体内にじわじわと浸透して内湿を生じ、やがては臓器機能の低下をまねくことがあります。湿の影響をもっとも受けやすいのは消化器系(中医学では"脾")。湿がたまりすぎると、食欲不振、胃もたれ、軟便、下痢、むくみなどの症状が出やすくなります

この時期におなかの調子を崩してしまうと、これからやってくる暑ーい夏を乗り切るのが大変。夏に備えて、“おなかを調えるレッスン"は、6月14日に公開する予定ですので、どうぞお楽しみに。

季節の変化と自分の体調に合わせ、今日は何を食べようかなーと考えることはとても楽しいこと。食べものがもともと持っている食味(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味など五味)と食性(熱性・温性・平性・涼性・寒性など五気)を活かし、素材の組み合わせや調理方法でバランスをとって美味しく楽しく食べましょう

もちろん人それぞれ体質が違いますので(冷えやすい、暑がり、疲れやすいなど)、その点はくれぐれも気をつけて。また梅雨の時期は細菌も発生しやすく、食べ物も腐りやすくなるので注意してくださいね。


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