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今や高野豆腐の煮物は調味料付きで売られており、水で戻して煮る・・・このプロセスがもう、消えつつあります
本格風を作るにしても、長い時間かけて戻すような高野豆腐は、もはや店頭には並んでおりません。わずか、地方のお土産屋さんとか、昔ながらの乾物屋さんでしか見なくなりました。
カツ代は32年前、『いよいよ明日は嫁ぐという日に』というエッセイの中で、結婚するとき高野豆腐の煮物はマスターしてほしいな、という文章を書いていますので是非読んでみてください。
さて、簡単煮は工夫とコツで即席とは思えない美味しさ。季節の野菜を添えて美しく盛りつけます。本格はキチンと出しをとれば、それで70%成功したようなもの。本物のだしが和食の基本と言えるかもしれません
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無性に食べたくなる“かつ丼”も、これまた美味しさのポイントは出し汁が50%を占めています。30%は手作りとんかつ。そして、残りの20%は卵の閉じ方と火を止めるタイミング。揚げる、とじる、食べる。このタイミングが全て上手くいけば120%の味が楽しめます
“簡単かつ丼”は、買ってきたとんかつで作る場合、さらに美味しくなるコツがいくつかあります。気にいったお肉屋さんで揚げてもらうと、実に美味しいとんかつをそう高くない金額で手に入れる事ができます
お肉屋さんのとんかつはおいしくても、ラードで揚げているため、コクが十分すぎることも多いので、2人で1枚で十分かもしれません
卵のとじ方は本格も簡単も同じですので、頑張って自分なりのコツを掴んで下さい
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シンプルな和食は素材だけじゃなくて、ちょっとしたコツでグーンと美味しくなったり、アレレ?と言う味になったりします
鯛茶漬けは作り方は簡単ですが、その美味しさは絶品。「あ〜日本に生まれて良かった」、食べる度にそう思います
新鮮な鯛。刺身の量と、ご飯の加減。碗にたいして、多くても少なくてもいけません。せっかく美味しい魚なら、ご飯は上手に炊かないと。塩加減のあんばいに、上からかける煎茶だって、上手に淹れらるでしょうか?極々簡単な日常が凝縮されたような料理が鯛茶漬けです
熱々の煎茶をかけたあと、すぐに蓋をして15秒。この時間がワクワク。これは、贅沢な時間と貴重な一品
さて、日々の忙しいときにお茶漬けは便利な日本の食べ物ですが、美味しい漬物を見つけたら、サラサラサラッと食べる京都風のお茶漬けも格別な存在ですね。ご飯の炊きかた、お茶の淹れ方は鯛茶と同じです
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煮物、丼、茶漬けと追っかけてきて、「和食はなんてシンプルな調理法なんだろう」と感心します。きじ焼きは鶏肉を(現代はキジなどは、めったに食べません)焼いてタレにつけるだけの料理ですが、これは皮の焼き具合で味の90%が決まります。そう言っても過言じゃあありません
皮からは余分な脂がすっかり出て、色はきつね色にこんがり焼けていること。焼き過ぎると肉がスカスカになるので、火はしっかり通さなければならないけれど、そのタイミングが難しい
ことに冬は冷蔵庫から出してすぐ調理すると、外は焼けても中が生…という失敗になりかねないので、鶏肉はあらかじめ焼く30分前に室温に出しておきましょう。これは肉・魚を焼く時の重要事項です。うまく焼けた鶏肉は、焼き味が美味なので調味料が少なくても美味しく食べられるのが嬉しいですね
でも、忙しくて時間がないという人は、気に入った焼き鳥を買ってきて、美味しく食べる“焼きとり丼”をご紹介してます。
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揚げものが上手になれば怖いものなしです。しかし、揚げものは一番難しい、というお便りをいただきます。いかに中温を保つ火加減を油の様子を見ながらマメに微調整できるか、これが大切
揚げている間はしっかり見守って、裏返すタイミングや引き上げるタイミングをうまくつかんで下さると嬉しいなあ、と思います。これは、意を決して1日使ってマスターしようとするよりも、日々ちょこちょこ揚げものに挑戦していると、だんだんわかってきます。これは経験しかないと思います。
でも、気分的に揚げものはねえ・・・家でやるのは、嫌・・・そんな意見はよく聞きます。
買ってきた揚げ物を少しでも、美味しく食べるには、たっぷりの大根おろしで煮ると厚い衣が少し気にならなくなりますし、大根も食べられるので、健康的ですね