工場見学
〜醤油ができるまで〜

銚子の駅の改札を抜けると交番とぬれせんべい屋交番の横に、歩道橋があり、そこをトントントンとかけあがるとその辺りから大豆の香りがプーン。匂いにつられて行くと、ヤマサ醤油の本社と工場が見えてくる。

ここは団体さんも多いので、行く場合は予約(0479-22-9809)がベター。醤油の原料は、大豆、小麦、塩の3つ。実にシンプルな材料です。大豆はやわらく蒸し上げ、小麦は炒る。ここにこうじ菌を加えて、三日間寝かせてこうじに。
このこうじに食塩水を加えて、でっかいでっかいタンクに仕込み、6ヶ月かけて、発酵・熟成。この分解は様々な微生物を育て、醤油の香りや味を作り上げるそうな。実際見せてもらうと、仕込んだばかりものや、かなり熟成したものなど、常に醤油を出荷できるように、先を見据えて仕込んでいくのです

ミクロの工場とよばれている、そのもろみのタンク室は、日々人の目、手で管理・作業を行う。毎日の食卓に欠かせない醤油は、機械化が進んだこの時代でさえ大事なところは人だということを改めて、感じました。

大豆のたんぱく質はアミノ酸に、小麦はでんぷんから糖やアルコールに変化させ、6ヶ月熟成されたこのもろみを、布に包んで3日かけて圧搾。これが生醤油

普段、私たちが店で購入するものは、これに火入れをして、熱を加え殺菌しながら、味、香りや色を調えていくそうです。きき味といって、人がこれをチェックすることは品質の安定にも欠かせない作業のひとつだそうで、最終的にはやはり人の厳しい味覚チェックで決まります。

人の検査を受けてから、瓶にパック詰め。醤油のきき味は、旨味・酸味・甘味・苦味だそうで、このバランスが大事だとか。ただ塩辛い調味料ではないのです。この時間が作り出した醤油が、本醸造というそうです。日本中のヤマサさんの醤油は、この銚子の工場のみで作られているというのも驚きでした。
醤油, カツ代の家庭料理
なぜ、銚子に醤油か?というところに戻りますが、味噌から生まれた醤油、生まれは紀州。ヤマサさんの先代の故郷が紀州だったことが醤油づくりの始まりとなりました。。銚子は、暖流(黒潮)と寒流(親潮)沖でぶつかりあい、夏は比較的涼しく、冬は暖かく、海に囲まれた環境から湿度が高いため、醤油の熟成・発酵には非常に向いていたことが、銚子のしょうゆ文化を発展させたのです

また、その頃、江戸では、蕎麦、寿司など立ち食い店が流行していたため、生臭みを消し、一層魚や蕎麦を美味しく食べることのできる醤油の発達は、江戸の食文化とも切っても切れない関係。当時、利根川を利用して江戸の人々に運ばれた醤油、関東の味としていまもなお、日本の食文化といっても過言ではないと思います。
醤油, カツ代の家庭料理
生まれた時から、当り前みたいにある醤油。大事に使わなきゃいけない・・・としみじみ思った銚子の旅でした。工場を出ると、醤油ソフトがそうそう、醤油って大学芋とかにも使うし、飴にも使うだんだよなー

外川をはじめ、たくさんの銚子の方々にお世話になりました。カツ代サイトを利用されているみなさんに銚子プレゼントをと、ぬれせんべいと、醤油・稲村の火を買いに出かけた日の数日後、チリ地震の影響で銚子には2000世帯の避難勧告が出されていました。

おそらく、君ヶ浜や犬吠灯台付近の海岸には近づけなかったのではないかと思います。
非難された方々、さぞかし心配され、お疲れだと思います。漁に出られず、海を見守っている漁師さんたち、いつもほんとにありがとう

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