秋のおすすめ食材
【梨】
秋の果物といえば、みずみずしくておいしい梨。そのほとんどが水分で、蔗糖、果糖、ブドウ糖などの糖質、リンゴ酸、クエン酸が豊富に含まれているので、疲労回復効果が期待できます
薬膳では、体の余分な熱を冷まし、のどの乾燥を潤し、痰を取り除く食材として昔から用いられてきました
中国の古い薬草書『本草通玄』には梨について次のような記述があります「生は六腑の熱を冷まし、加熱したものは五臓を滋陰する(潤す)」。この言葉のように、中国では現在でも梨を生で食べるだけでなく、加熱調理するのが特徴です
例えば、梨をすりおろしてお粥を炊いたり、梨のへたを平らに切って芯をくりぬき、くりぬいたところに氷砂糖、白きくらげ、川貝母(痰を切る効能をもつ生薬)などを入れて湯せん蒸ししたり(写真上)、豚肉と一緒に煮込んでスープにしたり・・・。いずれも秋になって空気が乾燥し、喉の乾燥や空咳、痰があるときなどに作ります
日本人にはちょっと珍しい食べ方ですが、果物としての梨が秋の恵みの滋養食物に一気に変わるようで、2倍楽しめます
今回ご紹介するのは『梨のお粥』。15年前香港に住んでいた頃、夏から秋への季節の変わり目に風邪をひいて咳が出ていたとき、香港人の友人が作ってくれた懐かしいシンプルお粥です
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【梨のお粥】
<作り方>
.米1/2カップをよく洗い、3カップの水に15分ほど浸す
.厚手の鍋または土鍋にを水ごと、大きめの梨1個をすりおろしたものを入れ、強めの中火にかける。
沸騰してしてきたらごく弱火にし、ふたをして40分ほど炊く。(途中吹きこぼれるようなら、ふたを少しずらす。)
少量の塩をふり、器に盛り付け、香ばしく煎ったアーモンドをのせる。
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お好みで梨の
とろとろデザートに!
梨のお粥が冷めたら、少し甘味を加えてミキサーにかければ、とろとろデザートに変身
さらに『梨と杏仁のとろとろデザート』もおすすめです
杏仁霜(杏の成熟実の種をすりつぶしたもの)を適量水で溶いて砂糖と一緒に梨のお粥に加えて鍋に入れ、火にかけ、全体がフツフツするまで弱火で煮る。冷めたらミキサーにかけて出来上がり