秋も深まってきました
よいお天気と澄みわたる空に誘われて、ぶらりと散歩にでかけたくなる季節です。
が、よーく観察してみると、空気は日に日に冷たくなり、乾燥してきているのがわかります
この乾燥した空気が鼻やのどから体に直接侵入し、鼻やのどの粘膜、髪の毛・皮膚を乾燥させ、やがて気管支、肺を傷つけやすくなります
どうりでこの季節は、「コホコホ」とした乾いた咳をする人が急に増えてきますね
肺はもともと、潤いを好む臓器と言われ、乾燥が大嫌い
中医学では、肺は全身に気を巡らし、呼吸や水分の代謝をコントロールしていると考えられています
乾燥の邪気に侵されて肺の機能が低下すると、せきなどの呼吸器系のトラブルが起きたり、体に滞った水分が痰などに変化したり、血液循環も悪くなって体力が落ち、その結果、風邪をひきやすくなってしまうのです。
そこで、秋の薬膳のポイントは、乾燥によって起こるトラブルを防ぎ、鼻、のど、皮膚、肺を清めて潤す作用のある食べ物を摂ることと、
気・血をおぎなって、体力と抵抗力をつけることとなります。
秋は、収穫の季節、美味しい食べ物がたくさん出回ります。こうした食べ物を上手に摂って、冬風邪をひかない体づくりをはじめるのも、秋
秋は人間にとって寒い冬を越える準備に入る大切な時期なのです。
《おすすめの食材≫
里芋、春菊、豆乳、銀杏、黒ごま、卵、 豚肉、鴨肉、牛乳、チーズ、帆立、クコの実、はちみつ、栗、しいたけ、さつまいも、さば、さんま、落花生など。
立冬(今年は11月7日)くらいまでは、体の余熱を取って津液(体の適度な水分)を生じさせる食材で肺を潤すことが大切
れんこん、牛乳、豆腐、梨、柿、白ごま、ごぼう、大根、百合根もおすすめです。
唐辛子などの刺激物は津液を消耗させやすいので、できるだけ控えます
寒さが増してくる立冬以降は、肺を温めて潤し、体に力をつける食材、たとえば、もち米、小松菜、松の実、いわしなどを積極的に摂り入れます
今回の特集は、秋のお散歩途中にあったらいいなと思う、“薬膳カフェ”のメニュー
体を乾燥から守ってくれる旬の食材がいっぱい、もちろんお腹もいっぱいになりますよ
お好きなものを選んで、いつもとちょっとちがう盛り付けをしたりして・・・ホッとできる空間を、お家でもつくって、薬膳ごはんをゆっくりと味わう…
夜の長い、秋ならではの楽しみです。
薬膳監修&コラム:よしかい ゆき
レシピ&スタイリング:チームKATSUYO
撮影:添田 明也
料理制作:本田&中島
特集TOP