カツ代の家庭料理

スパイスレッスン その4

カツ代の家庭料理

胡椒・花椒・山椒( Pepper )


スパイス解説
 世界各国で親しまれているスパイス、ペッパー 胡椒、花椒、山椒・・・英名にはどれもPepperがつきますが、胡椒はコショウ科コショウ属のつる性常緑草木の果実、花椒山椒はミカン科サンショウ属の落葉低木の果実や果皮です

 
胡椒は、爽やかな芳香とほどよい辛味が特徴で、肉のにおい消しにも効果があり、古代から大変珍重されたスパイスです インド南部、マレーシア、ブラジルなどの熱帯地方で生産されています。東西のスパイス貿易では通貨と同等に扱われ、中世ヨーロッパでは、地代や税金の代わりになるほど高価なものだったそうです 15世紀、コロンブスやヴァスコ・ダ・ガマが東方への航路を見つけようとした目的も、実はコショウ発見のためと言われています

 胡椒にはいろいろ種類があります。
黒胡椒は、熟していない緑色の果実を乾燥させたもので、白胡椒は熟した果実の果皮を取り除いて乾燥させたもの、グリーンペッパーは未熟な果実を塩漬け、酢漬け、あるいはフリーズドライで保存したものです。日本で売られているピンクペッパーは、ウルシ科サンショウモドキ属のコショウボクの実を乾燥させたもので、コショウとは異なる植物です。辛味よりも香りがきわだち、色合いも美しいので料理に添えられたりします

 中医薬膳では、胡椒は温裏類に属し、体を温めて冷えによる痛みを止めたり、発汗、食欲増進、健胃、利尿作用があるとされています

 
 花椒は英名をSichuan Pepper(Sichuanは中国語で“四川(しせん)”の意味)、山椒はJapanese Pepperと言います
 花椒と山椒は同じサンショウでも種類が異なり、山椒は日本が原産、花椒は中国四川、雲南、甘粛、河南、河北、山西省などで主に生産されています 花椒は成熟果実の果皮を乾燥したもの、山椒は春は木の芽、夏は実山椒、秋は粉山椒(秋に熟した山椒の実の殻の部分を粉にしたもの)として、四季折々の料理に使われます

 
花椒山椒はどちらもさわやかな芳香とピリリとした辛味がありますが、花椒は山椒よりもさらにしびれるような辛味があるのが特徴です 中国四川料理に多く用いられ、麻婆豆腐がその代表 ほかにもホールのまま漬物に加えたり、粗塩と一緒に煎ったものをすって“花椒塩“を作り、野菜や揚げ物などにつけて食べたりします 山椒はうなぎの蒲焼きや焼き鳥にふったり、佃煮などでお馴染みですね。お正月に飲むお屠蘇(とそ)や七味唐辛子の中にも入っています

 中医薬膳では、
花椒山椒は体を温め、冷えによる関節痛やお腹の痛みをやわらげたり、体内の余分な湿気を取り除く作用があるほか、健胃や駆虫効果があると考えられてきました 辛味成分のサンショオールが、脳を刺激し内蔵の働きを活発にして、胃腸の働きを助けるほか、香り成分のシトロネラールやリモネンなどに、抗菌・防虫作用、食欲増進や新陳代謝を促す効果があると言われています


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胡椒・花椒・山椒を使ったレシピ
ブラックペッパーソーセージ
カツ代の家庭料理
黒こしょうをぴりっときかせた、ちょっと大人のソーセージ おつまみやおもてなしにもおすすめです

ごぼうのポタージュ
カツ代の家庭料理
ごぼうの甘みと香り、懐深い味わいを、引きたてたのは黒こしょう じゃがいもでとろみをつけた、ムースのようなポタージュです


とろろ芋の山椒ソース炒め
カツ代の家庭料理
胃腸のはたらきを調え、腎精を養う長いも 気血を補い、筋を強化する牛肉 ぴりりとした花椒がきりりと味をひきしめます


鶏の山椒焼きと焼きねぎ
カツ代の家庭料理
パリッと焼いた鶏肉に、みそと山椒のたれがよく合います 相性バツグンの焼きねぎを添えれば、う~ん、ニッポンの味ですなぁ

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お や つ
胡椒チーズクラッカー
カツ代の家庭料理
挽きたての黒こしょうをたっぷり加えたクラッカー 噛みしめるほどにスパイシー 生地に入れたクリームチーズとは、相性抜群の組み合わせ ハムやアンチョビ、サラミなどをのせて食べるのもおすすめです

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の み も の
スパイシーココア
カツ代の家庭料理
ピリッとスパイシーなココアは大人の味 胡椒はぜひ、ペッパーミルでガリガリしてください 寒い季節は、朝出かける前の一杯で、お腹がじんわり温まり、“よーし、今日も頑張るぞ”という気持ちになりますよ

お ま け コ ラ ム
→自家製ラー油




冬のスパイスレッスン

  ◆1週目 生姜
  ◆2週目 シナモン
  ◆3週目 唐辛子
  ◆4週目 胡椒



コ ラ ム

冷えとスパイス

スパイスを中心に見た歴史



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