【薬膳解説】空気が暖かくなり、自然界のすべてが伸びやかに生長しはじめる春。人間も体内の陽気を十分に巡らせ、上手に発散させることが大切です。まだ肌寒い日もある春のはじめは、辛味があり、体を温める性質の食材や、芳香性があり、気の巡りをよくする食材をほどよく摂り入れます。
【食材】しそ、しょうが、ねぎ、三つ葉、せり、よもぎ、新玉ねぎ、らっきょう、かんきつ類、グリーンピース、黒きくらげ、葛粉など。
新たまねぎの美味しさをたっぷり丸ごといただけるのは、春限定のお楽しみ。たまねぎは、体を温め、消化液の分泌を助け、気の巡りをよくする作用があります。
ほんのりきかせたカレー味が臓腑の働きも高め、代謝力をアップ
らっきょうはユリ科の植物、薬膳では薤白(がいはく)と呼ばれます。体を温めて気を巡らせ、胃腸の働きを高めるほか、独特の辛味成分には血液サラサラ効果も。
カレーのお伴にしておくだけではもったいないらっきょタルタルは消化のよい鶏肉とも相性抜群
春の素材をほっこり炊いて、葛でとじました。葛の根を干したものを葛根(かっこん)と呼び、発汗・解熱・筋肉の緊張を緩める作用があるとされます。
涼性なので、肌寒い春のはじめには、微温性の生姜を最後に添えるのをお忘れなく
春の訪れを感じさせるほろ苦いクレソンに、香りのよい伊予柑を合わせたサラダ。柑橘類は、気の巡りをよくし、胃の働きをよくすると言われます。
爽やかな味が口に広がった瞬間、体の緊張がゆるりとほどけ、ふわっとのびやかになれそうです。