二十四節気 食ごよみ
春分(しゅんぶん)
新暦3月21日頃〜
▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です
まさしく春ど真ん中。日本人の行事である“お彼岸”は、春分の日をはさんだ七日間をいいます。昔からこの日を境に寒い日も徐々になくなると言われています。

季節に体の声を聴く
この春の花粉症はかなり辛いという声を聞きます。また、冬にひいた風邪や、インフルエンザのあとに、なんとなく調子が戻らないという声もちらほら。夏に向けて体調をととのえていきましょう。

春分のおすすめ献立は

まさに旬の魚“鯛”に、苦み野菜のウドと竹の子をちょっと甘めの煮汁で炊いてみました。

暦(こよみ)の季節献立>この時期に体が喜ぶものを献立でご紹介。まずは、春らしい食卓を楽しみつつ、苦み野菜と春根菜で体調をととのえるお手伝い。

暮らしの中の食卓

 『暑さ寒さも彼岸まで』という言葉をおじいちゃん、おばあちゃんから聞いたことはないでしょうか。そう、あの凍えるような寒い日ともついにお別れです。そして、卒業、卒園、退職といったお別れの月でもありますし、入学、入社など新しい生活も始まり、緊張と、ほっとする気分と相反する気持ちが入り交じる季節。

 野菜や山菜といった植物たちは生き物に食べられようと生まれてくるわけではなく、冬の間に地中のエネルギーとパワーをため込んで、さて!拡散するぞ、育つぞ―!と力いっぱい芽を出し、育とうと土から顔を出してくるのがこの時期の野菜の特徴です。食物繊維や苦み野菜も多く、冬に溜めこんだ余分なものを外にはき出す力を持っていることが分かってきた、注目の春野菜たちです。
 
 冬は温かい季節より、新陳代謝が弱まっていますので、徐々に代謝を上げていくような食生活や運動をしていきましょう。また花粉症の人にはまだまだ辛い季節ですが、必ず良い季節はやってきますので、一品でもいいです、体が喜ぶものをご自分のために作ってみてくださいネ。昨年より、ひと足先にスッキリするかもしれません。

 街の景色は木々の緑が明るく輝き始め、桜も咲き始めるこの時期、自然界はすっかり春ですね。自然界にはかないませんが、一歩でも彼らに近づくようについていきましょう。先月ご紹介した体内リズム。起きるのがつらいなぁ…と思っても、がんばってカーテンをあけて、朝の陽ざしを浴び、体内時計を毎日ととのえてみて下さい。

春分、この組み合わせ食べたい!
この時期に体が喜ぶ元気食材は、新陳代謝を上げるものや、腸をととのえることで免疫力を上げるもの。冬の間に溜めこんだものを、スッキリ出していくことを意識していきましょう。

 
今回の献立バランスの三要素

●体内の余分な湿気をとりのぞく・・・・・・・うど 白身魚etc
●春野菜のエネルギーを食べる・・・・・・竹の子 新ごぼう かぶ 新人参
●身体を冷やさないように、体の中の余分な熱をとる…竹の子 ごぼう etc
※竹の子もごぼうも体を冷やす要素あり。調理法(温める)によって冷やす要素を少なくしたいところ。


 寒い冬をこえて、ぽかぽかとあたたかな春は日に日に、パステルカラーへと明るく染まっていきます。春野菜はぐんぐんと伸びようとしている植物を、程よいところで収穫して食べることが多いのです。

 苦みやえぐみのある野菜は、まさに春素材。成長を蓄えたものを食べるということは、つまり、その地球のエネルギーをパクリということ。そんな単純な考え方からも、体に良いに決まっています。

 そう、薬膳的な考え方でも、この春の苦み、ことにウドなどは、キシキシと痛む関節や、コリなどに効果のある成分が入っていることが分かり、ふきにも今流行りのデトックス効果が期待されています。

 ただね、先ほども書きましたが、野菜は本来人間にために生まれて来たわけではないので、KATSUYOレシピではデトックスとか排毒という言葉はあまり使いたくないのです。ありがたく、彼らの成分と効能を頂いて、これから来る夏のために体調をととのえる食事づくりを楽しくしましょう。

野菜を食べる=命をいただく、ということ。自然界と野菜を作ってくれている農家の方への感謝を日々忘れないで下さい。暦の連載は、この三月が最終回となります。できましたら、繰り返し読むことで習慣となりますので、時々このライブラリーを読んでいただけたら、嬉しく思います。体を季節にあわせていき、健やかにお過ごしくださいね♪


▲もう少し、詳しく知りたいという人はバックナンバー24節気の 春分 を読んでみて下さい。