続・梅雨を楽しく快適に

カラッとしない日が増えてきました。梅雨入りのニュースも続々と入ってきました。
さて、先週の特集、『梅雨を楽しく快適に』の続編です。
梅雨を快適に過ごして、夏を元気に迎える体づくりをどうするか?!これを5つのステップに分けてじっくり解説。ステップ1では、〈香りの食材で「湿」を発散。〉ステップ2では〈体を温めて湿を乾燥〉をご紹介しました。今回はステップ3からステップ5です。

ステップ3.
気温上昇、ムシムシしてきたら・・・

体の熱を冷まし湿を排泄しましょう

梅雨の後半は、気温も上がりムシムシする日も多くなります。体内にこもる熱を鎮め、余分な水分を体から取り除いてくれる食べ物を意識して摂りましょう。
クーラーに頼れないときこそ、食べ物の力を借りるのです!
おすすめ食材は、春雨(緑豆)・セロリ・ズッキーニ・メロン・わかめ・昆布・ひじき・しじみ・あさり・はとむぎ・くらげ・豆乳・チンゲン菜・豆腐・もやし・ごぼう・オクラなどがあります。

「体の熱を冷ます」献立

白身魚は、胃や腎の機能を高め、水分代謝をよくし、むくみや足腰のだるさをとりのぞく働きがあると考えられています。たんぱく質、ビタミンが豊富で疲労回復にもよいですね。
野菜と一緒に鍋に詰めて蒸すだけ。シンプルは美しくて、美味なり…の代表かも。
サブのおかずは、大豆ひじきのパプリカ煮。日本が誇る伝統素材とオリーブ油、白ワインとのマリアージュ。驚きの美味しさに仕上がりました。
良質なたんぱく質が豊富な大豆は利尿を促進、ひじきはミネラル、ビタミンの宝庫、水分代謝を調えます。
体の余分な熱や湿を取り除く作用のあるごぼう、体を潤す豆乳とともに、尿の出をよくし、むくみを改善、通便促進が期待できます。


ステップ4.
湿が下半身に溜まっていると感じたら・・・

利尿を促進させましょう

湿は下に溜まりやすいという特徴あります。そんなときは利尿作用のある食べ物で体内の余分な湿の排出を促すことを心がけましょう。
おすすめの食材は、小豆・大豆・空豆・黒豆・とうもろこし・いんげん・えだまめ・グリーンピース・冬瓜・すずきなど白身魚・しらうお・はとむぎなどがあります。

「利尿作用のある」献立

しらすはカルシウムが豊富で栄養価の高い小魚。薬膳では水分代謝もよくすると考えられています。梅雨どきは、パスタでたっぷりいただきましょう!
缶詰の豆に枝豆をプラス、セロリの香りがフレッシュな豆々サラダ。胃腸を養い、利尿を促す効果が期待できます。イカは高たんぱく、低カロリー、ヘルシーが嬉しい食材です。
胃腸の働きを調え、水分代謝をよくしてくれる、とうもろこし。芯ごと煮込んで栄養を丸ごといただきます。いんげんにも同じような働きがあるうえ、β-カロテンも豊富で抵抗力アップ。夏が来る前にぜひ食べておきたいスープです。


ステップ5.
夏への準備、梅雨のうちに・・・

お腹力を高めましょう

“湿”を体内に溜めこんでしまうと、水分代謝が悪くなり、消化器系の機能も低下。食欲不振、胃もたれ、軟便などの症状が現れやすくなります。
梅雨どきは、お腹を元気にする食材、たとえばじゃがいも・かぼちゃ・山芋・いんげん・しいたけ・キャベツ・米・いわし・牛肉・鶏肉などを少し意識して摂りましょう。
また、薬味、香草、香辛料、酢を適度に使って食欲増進させたり、気の巡りをよくもの、たとえばたまねぎ、かんきつ類などもプラスできたら素晴らしい!
お腹力を高め、食べ物からの栄養をしっかり消化吸収できるよう準備することが必要です。
夏バテ対策は今、梅雨どきからスタートしていますよ。

「お腹力を高める」献立

いわしは、薬膳では気血を補い、血流もよくしてくれる魚。脂には、脳の活性化に効果的なDHAも含まれています。ハーブをのせて、爽やかにいただきます。
シャリ、ホコッの食感がおいしい長芋サラダ。長芋は消化酵素が豊富で、疲労回復、体力増強にも効果があります。
かぼちゃとにんじん、どちらもβ-カロチン、ビタミン類が豊富。免疫力を高め、粘膜を保護してくれます。青紫蘇が隠し味、このコクと爽やかさをぜひ味わって。じんわり体に効きますよ。


じめじめ梅雨の時期に、体に湿を溜めない食材を上手にとりいれて、体と心の健康を手に入れよう♪

「薬膳監修&コラム:よしかい ゆき」

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