桜の花便りが届いています
地に根を張り、枝を広げ、硬かった蕾をほころばせる桜。その様子は、自然の脅威に衝撃を受け、心落ち着かぬ日々を送る私たちに、はるか昔から美しい自然を愛でてきた心を少し取り戻させてくれるように感じます
忘れかけていた春の訪れ。
ふんわりと吹く風はあたたかくて気持ちがよい。けれど、春の風は意外にわがままです
ある時は生ぬるく、ある時は強く、冷たく…不規則に吹いています
皮膚や粘膜は直接風を受けながら、懸命に体を防御しようとしますが、守りきれないと、皮膚の痒みや鼻づまり、咳などのトラブルを起こしがち
風が体の中にまで吹きこんでしまうと、頭がボーッとする、のぼせ、イライラするなどの症状に加え、「肝」が過剰な反応を起こすと考えられています。
中医学でいう「肝」とは、単に肝臓本来のはたらきを指すだけではなく、血液の貯蔵や循環、解毒のほか、目の状態などにも深くかかわり、神経情緒の働きを司っています。
「肝」がうまく働かないことで、気持ちが高ぶったり、怒りっぽくなったり、それとは反対に体がだるく、何もやる気が起きなくなったり…。また、ストレスやふさぐ気持ちが長く続くと、「肝」の気の巡りを滞らせ、ますます不安定な状態になるというのですから、困ったものです。
こんなときは、心と体をのびのびと解放し、気の巡りをよくしたり肝をいたわり、肝の機能を調節する酸味をほどよく摂りいれて、体をきゅっと引き締めたり、気血をバランスよく補い、粘膜を強め、免疫力を高めることが大切です
さあ、今回の特集は“こんな日にこんな料理とやさしいおやつ”シリーズ第2弾
自分の心と体の状態に耳を傾け、変化に気づき、「今日は食材からどんな力をいただこう」と一呼吸おいて考えるセルフメイドな食事…これが台所の薬膳です
春の不安定な風に惑わされず、心と体に落ち着きを取り戻せますように
薬膳監修&コラム:よしかい ゆき
レシピ&スタイリング:チームKATSUYO
撮影:添田 明也
料理制作:本田&中島
しみじみ…気持ちのふさぎがちな日には
なぜかイライラして怒りっぽい日には
どうも感情が鈍くかっているかもと感じるときには
なんだか体に力が入らないと感じるに日は
不思議とモーレツになまけたいと思う日には