「台所の薬膳塾」がスタートして2年目に入っています。
「薬膳」という言葉から連想しがちな“体によいけど薬くさい”というイメージが少し変わってくださっていたら、とても嬉しいです
「薬膳」とは、「すべての食物に効能がある」ことを基本に、季節や体質、体調に合わせて料理を作ること。健康維持や病気の予防、プチ不調などを改善することを目指しています
材料は、日本で普通に食卓にのぼる食材だけでも、十分に美味しい“薬膳”を作ることができると考え、煎じ薬に用いられるような薬材(中薬)は使っていません。だたし、少々珍しい食材だけれど、比較的手に入りやすく、ぜひ摂り入れていただきたい食材はコラムなどで折に触れ、紹介するようにしています
「薬膳」は中医学(中国の伝統医学)の理論が基礎になっていますので、はじめはちょっとややこしく感じるかもしれません。たとえば、気血津液といった考え方や、陰陽のバランスをとる…など。でも、いったん知ってしまうと、“なーんだ、そういうことか”と、すんなり体に入っていく概念がとても多いのです。今後も少しずつ紹介していきたいと思っています
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今回は、食物の五性の話です。簡単に言いますと、その食物が体を冷やすか、温めるか、という性質
冷やす程度の強さで“寒性”と“涼性”に分かれ、温める程度によって“温性”と“熱性”に分かれます
さらに、冷やしも温めもしない穏やかな性質をもつ“平性”があり、合わせて“五性”と呼んでいます
さて、夏は、どんな食物を摂りましょうか。体に熱や湿気がこもりやすい季節、涼性、ときには寒性のもので、体を少しでも涼やかにしたいですね
実際、夏野菜や夏が旬の果物はそのほとんどが涼性。旬のものを食べるのが大切だということも納得です
ただし、涼性のものを摂りすぎると、体を冷やしすぎてしまうことがあります。もともと冷え体質の方はとくにご注意を
そんなときは、温性の食材をちょっとプラスしたり、火を通して、涼性を少しやわらげます
たとえば、涼性のなすに温性の生姜を添える、寒性の豆腐を煮て食べる、など。
食材の組み合わせや調理法で、足し算、引き算をしながら、その日の自分の体調に合わせ、食材のもつ力を十分に発揮させること・・・これも薬膳の楽しみです