8月15日によせて


忘れてはいけない
終戦記念日への思い
そして復興への祈り

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オリンピックが終わりました。世界中が仲良くするスポーツの祭典は、平和への象徴でもあります。オリンピック開催中には、長崎、広島ではことしも黙祷があり、祈りを捧げました。原爆の後遺症で苦しんでいる人たちがいます。

また、今回は紅茶の国、イギリスが開催国でしたが、その昔、この紅茶をめぐって戦争があったことを、そして、戦争によって、引き起こされた植民地問題はつい最近まで解決しなかったものばかり。

日本の【FUKUSHIMA】は世界に、不幸にも悪い形で有名になってしまいました。福島は海があり、山があり、美味しいものがたくさんある、自然に恵まれた美しい県でした。地震そのものよりも、いまだ、片付かない福島原発の不安を世界中にもたらせてしまっています。国内では、この原発問題は解決するどころか、複雑化しているかのようにも思えます。

片付けられない問題をどう解決するのか・・・。沖縄の問題ひとつとっても、まだ、戦争は終わってないのだと、大きな問題をたたきつけられるのです。戦後、世界中の誰もが、平和を祈りつつ、二度とこの悲しい出来事とあやまちをおかさないように思っていたはずです。オリンピックは無事に終わりましたが、世界は平和になったのでしょうか?いまもなお、世界のどこかで争い、親も家も失い悲しみに涙する子供たちがいます。

2011年の3月11日、日本におきた大地震と津波・・・いまもなお終わらぬ福島の人々の不安。いま日本人、いいえ、世界の人が核の怖さをこんなに近く感じていることはないと思います。
広島と長崎におきた被ばくは、戦争でおきたもので、理由は原発とは、まったく違いますが、被ばくの怖さをふたたび身近に感じた人は、私たちだけでないのではないでしょうか。

想定外だったなんて言うセリフは、なんども耳にしましたが、正直聞きたくない言葉。ニッポンは間違っていたことへ、どう軌道修正していくのか、今の大人の課題であり、義務です。責任のなすり合いをしている暇はありません。もめている間に、時間は刻々と過ぎてしまっています。

それでも、多くの人が、朝ごはんを囲み、お弁当を持って出かけ、夜はビールで一杯飲みながらテレビをみて。その小さな幸せは、平和なくしてありえません。平和と安全が続かないと、口に入れる食べ物を手に入れることができない、この真実を心に刻み、チームカツ代のスタッフ一同は、毎日キッチンに立ちます。そして過去に感謝しつつ、食べ物を大切に扱っていきたい。

今年も、お勧めの本を紹介いたします。一人ではなにもできませんが、未来のために、みんなで頑張りましょう。そして、復興が遅れまくっている被災地が、前よりもいい形でもどること、もっといい日本になるように、政治が権力争いの場にならず、国会でのあげあし取りや、罵倒大会はやめていただいて、まじめに暮らす人々のそばにいつも、いてくれるような存在になるように、祈っています。


2012年8月15日
キッチンスタジオスタッフ一同


緑の星に より
緑の星, カツ代の家庭料理小林カツ代:作詞
吉岡しげ美:作曲
大島みちる:編曲

2002年CD
エイベックス

★☆★☆★☆★☆
地には花が咲き
人には歌がある
この美しい緑の星と
与えられた生命のために
戦さをやめて 歌っておくれ
戦さをやめて 歌っておくれ

海には魚たち 空には鳥が鳴く
宇宙の中の小さな星に
今日も生きるものたちの
祈りの声を 聴いておくれ
耳をすませて 聴いておくれ

遠くに風の声 近くに虫の声
緑の星に命が生きる
緑の星はひとつの家族
戦さをやめて 愛しておくれ

戦さをやめて 愛しておくれ
戦さをやめて 愛してゆこう

世界中のこどもたちへ
世界中のこどもたちへ, カツ代の家庭料理
合同出版
「いただきます
ごちそうさま」
小林カツ代著より

★☆★☆★☆★☆
ある日
音楽界にいきました
子供を連れていきました
歌の中に戦争を
テーマにしたものがありました
休憩時間に10歳の
娘のまりこが聞きました
「ママ、もし戦争になったらね
パパ、戦争に行っちゃうの」
「今すぐ戦争は
起こらないと思うから
もし戦争が起こっても
パパはそのこと年をとり
行かずにすむと思うけど」
無邪気なまりこは顔中が
笑顔だらけになりました
「ああよかったァ よかったァ」
「でもね まりちゃん そのころは
ケンちゃん大きくなっていて
ケンちゃん
とられちゃうかもしんないね」

今まで気づかずにいたことが
このときふいと口に出て
いった私がはっとして
胸締めつけられる思いがし
そっとまりこを見てみると
みるみる暗い顔になり
返事もせずにうつむいた

「ぼくちゃん
ちょいと トイレです」
元気にさっき出ていった
ひょうきん者の弟は
まりこと1歳違うだけ
まりこのほほにひとしずく
涙がツーと落ちました

あのとき思わずでたことば
以来私は不安です
まさかと思う戦争が
もし起こったらどうしよう
いやだ いやだそれだけは
だれが渡してやるものか
私の愛する息子です
私のかわいいこどもたち
だれが死なせてなるものか

この世でいちばんきらいな人は
戦争しようと思う人
上野の森に住んでいた
動物園のゾウやトラ
ヒョウやライオン、戦災で
もし逃げたら危険だと
餓死や毒殺命じた人に
愛のかけらはなかったか
おなかをすかせたゾウたちが
ふらふらする足ふんばって
えさをほしさに芸をする
その哀れさを読んだとき
本を伏せて泣きました

食べたいものが食べられて
愛する人や生き物と
いっしょの暮らしを守りたい
戦う武器を作るなら
世界の中の飢えし人
飢えた子どもに食べ物を
やせ細ってしわのみの
乳房にすがる赤ちゃんの
ミルクを送ってくださいな

「いただきまーす」
「ごちそうさま!」
今日も日本は平和です
口いっぱいにほおばった
子どもの笑顔がありました
今も世界のあちこちで
おとなが起こした戦争で
傷つき飢える子がいます
からだ中が火ぶくれで
泣き叫ぶ子がいます

あなたに子どもがあるのなら
どんなものより戦争を
忌みきらってほしいです
平和あっての食べ物ばなし
平和あっての子どもたち
平和を守るそのことが
子どもを守ることだから

1983年・小林カツ代

2012年8月のオススメ読書
大人と子どもの詩集

原爆詩集「八月」, カツ代の家庭料理
合同出版編集部
「原爆詩集 八月」




イラク 米軍脱走兵、真実の告発, カツ代の家庭料理
「イラク 米軍脱走兵 真実の告発」
(原題:THE DESERTER'STALE)


ジョシュア・キー著/ローレンス・ヒル構成
井手真也訳/合同出版



はやく家に帰りたい, カツ代の家庭料理
福島の子どもたちが思ういのち・かぞく・みらい
「はやく家に帰りたい」
鎌田實 監修
ふくしま子どもの未来プロジェクト編合同出版



海をうらまない, カツ代の家庭料理
合同出版
「海をうらまない」震災ポエム
佐藤啓子 著


原発社会からの離脱, カツ代の家庭料理
講談社現代新書
「原発社会からの離脱」
宮台真司&飯田哲也著



慈悲の怒り 震災後を生きる 心のマネジメント, カツ代の家庭料理朝日新聞出版
「慈悲の怒り 震災後を生きる 心のマネジメント」
上田紀行 著



原発事故はなぜくりかえすのか, カツ代の家庭料理岩波新書
「原発事故はなぜくりかえすのか」
高木仁三郎 著



山に暮らす海に生きる, カツ代の家庭料理
無明舎出版
「山に暮らす海に生きる」
結城登美雄 著


自己への旅, カツ代の家庭料理
聖文社
『自己への旅』
山尾三省著 


※この本は探すのが大変かもしれませんが見つけたら、是非


これでいいのか福島原発事故報道, カツ代の家庭料理あけび書房
「これでいいのか福島原発事故報道-マスコミ報道で欠落している重大問題を明示する」
丸山重威 編著


カツ代の家庭料理
©ネットドリーマーズ