新暦11月8日頃〜
冬の気が立ち、暦の上で冬が始まる日。夏鳥は暖かい土地へと旅立ち、冬鳥が北から日本へ渡ってきます。
▲次の24節気は小雪(11月22日頃〜)です。
お節介訓 その19
立冬は、冷えない体づくりを始めるとき。気血をしっかり補って、温めモードにスイッチオン。
立冬のおすすめは
冷たい風が吹く日には「山芋と海老の飛竜頭」はいかがでしょう。体を養う山芋に、体の陽気を補う海老、体を温める生姜や葱を組み合わせ、肺の働きを高めて咳を鎮めるとされる銀杏を添えました。柚子胡椒をピリッときかせて食べてくださいな。
薬膳のポイント>空気が冷たくなってきました。寒さに負けない体づくりを始める頃です。山芋は中国では「山薬(さんやく)」と呼ばれ、滋養強壮、不老長寿には欠かせぬ漢方薬として珍重されてきました。気を補って消化吸収を促し、冷えによって弱まりやすくなる肺や腎の機能を高めます。
立冬食べもの語り
木枯らしが吹き、紅葉で華やかに色づいていた街も少し寂しげな表情を見せはじめます。立冬は、秋が去り、季節が冬へ移りゆく節目のときです。
さあ、本格的な冬が訪れる前に、体を温めモードに切り替えておきましょう!冬の邪気は寒邪(かんじゃ)。体に入りこむと、体を温める作用をもつ陽気を傷つけ、体を冷えやすくします。冷えは万病のもと、と言いますが、体が冷えると、細胞の働きは鈍化し、血行も悪くなり、体のコリや痛みといった症状が現れたり、体の免疫力まで低下させてしまうこともありますから大変です。
寒さに負けない、冷えにくい体づくりは、今、スタートさせます。まずは体を温め、体に力をつける食材を摂り入れ、血行をよくしていきましょう。
おすすめの食材は、牛肉、羊肉、鮭、えび、ぶり、牡蠣、もち米、山芋、にら、にんじん、柚子、胡桃、蜂蜜、棗(なつめ)、黒豆、黒胡麻など。さらに生姜、にんにく、葱、胡椒、唐辛子など、内臓を温めて寒さを取り除き、代謝力をアップさせる食材を、ほどよく使うこともポイントです。
体を温めモードにしておくことは、冬になっても風邪を寄せつけない体の基本です。今年は何だか冷えないわ―と感じられる、元気な冬にしたいですね。
薬膳的!立冬、これ食べたい!
立冬の頃は、昼夜の寒暖の差が激しく、体がこの気温の変化についていけないこともしばしば。体を内側から温めていく料理で、寒い冬に備えましょう。
体がなんだか冷えているなぁ、という日には、にらをたっぷり使ったキムチチャーハン。にらは別名「起陽草(きようそう)」とも呼ばれ、陽気を補い、体を温める作用があるとされます。ビタミンB1が豊富で疲労回復、風邪予防にも役立つ食材です。キムチの辛味がほどよくきいたチャーハンを食べると、体がほんのり温まり、元気も出てきます。
「寒い、風邪ひきそう」と感じたときは、牛肉となつめの体力アップスープを!牛肉は気血を補い、筋骨を強めてくれる元気食材。大根は、消化を助けて胃腸の調子を整え、気の滞りを防ぎ、痰を取る働きが。薬膳でよく使われる棗(なつめ)は気血を補い、滋養強壮、免疫力アップ、心身の疲れにも作用するとされています。にんにく、葱、生姜、胡椒、陳皮で寒気を散らし、気血の巡りと保温力を高めます。
女性の多くが冷えを感じながら生活していると言われる現代。暖房をつけても、重ね着をしても、腰や手足が冷えるのは本当につらいもの。毎日の食べものの力で、体の内側のぽかぽか時間を少しずつ増やしていきましょう。
ますます寒さが増してくると体も縮こまりがちになります。天気のよい日は、外でゆっくりウォーキング、呼吸をととのえてストレッチもおすすめです。
▲二十四節気とは、1年を24等分にした旧暦上の季節の目印です