心と体が少しずつ活動的になるこの季節。新緑の柔らかい緑を見ると、なぜか動き出したくなりませんか?そんな時期、野山や海には体が目覚める食材が続々とあらわれます。
ほろ苦い菜っ葉や山菜、緑の豆、ふっくらと太った貝や魚など、それぞれの食べ物が一年でもっとも沢山とれて美味しくなり、栄養価がぐっと高まる旬彩です。旬を楽しみ、季節感を大切にする和食で、沸き立つ春の体に活力を養いましょう。

また、和食献立の基本といわれる「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」をご飯のおかずにする事で、多くの食材を使い、栄養バランスはさらに高まります。一汁三菜は、ご飯を中心に汁もの1品と主菜1品、副菜2品を組み合わせた食事です。しかし、毎食そんな準備をするのは、忙しい日々なのに大変!という人も沢山いると思います。
具沢山な汁や炊き込みご飯の時は、おかずの数を少なく。丼ぶりものなら、あとは漬け物だけで。刺身なら、盛り付けるだけでメインおかずの出来上がり。

などなど、無理なく献立を組み立てて、春の和を楽しむ事が出来ればいいですね。

おすすめレシピ

揚げたての自家製がんもどきは絶品です。春から初夏はそら豆たっぷり仕立て。

春の炊き込みごはん

和食献立の中心となるのがごはん。白いご飯や麦ごはん、玄米や五穀米はどんなおかずにもあいますが、春に美味しい食材を炊き込んだごはんは、ごちそう感のある一品として、食卓を華やかにしてくれます。炊く時に気をつけたいのは、調味料を入れたまま浸水すると、お米に塩分が浸透してお米がふっくら炊き上がりません。調味料はスイッチオンの直前に。

汁物

和食の汁ものには欠かせないのが、だしをとる事です。それは、かつお節や昆布、煮干しの旨みを十分に引き出す事。だしがしっかりした汁ものは、ひと口すすって、「はぁ、なんて美味しいんだろう。日本人でよかった〜。」と思える一品となります。
今の時期なら、貝類や鯛など、具から出る旨みをいかす潮仕立ての汁ものもいいですね。

おかず

和食ではひとつの料理を食べ続けるのではなく、ご飯とおかずを交互に食べて、その調和を楽しみます。口に運ぶ回数が一番多いごはんを左手前、次にもち上げる事が多い汁ものを右手前。肉や魚を使ったメインのおかずは、器を持ち上げる事はしないので、お箸をもつ右手がのばしやすい右奥に置きます。基本的な配膳は食べやすく合理的な形として、日本の食文化の中から生まれてきました。

小鉢

他の料理を引き立て、味の変化や献立のバランスをまとめる名脇役となるのが、この小さいおかず。
あえ物、酢の物、お浸し、シンプルな野菜の煮物など、メインおかずの合間に食べるちょっとしたおかずは、箸休めとなり、さらなる食欲を促します。強すぎない味付けで、素材の味をいかしましょう。

香の物

最後にひと口残ったご飯のおともに、はたまた食後のお茶と一緒に。小気味よい歯ごたえが心地良い漬け物。
あってもなくてもいい気はするけど、あれば嬉しいのがこの存在。残り野菜を活用できるのもいいところです。

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