家庭料理に多大な影響を与えてきたとされる小林カツ代が、「家庭料理」「人生と食」「女性と家庭料理」について語る、食との向き合い方を考えさせてくれる一冊。
「食べるということは、食べつづけてゆく、ということ―」。
亡くなって三年、今なお親しまれている戦後日本を代表する料理研究家・小林カツ代。家族から個人の食事へと自身の人生の変化を見つめ考察した未発表原稿、農業や漁業の生産者たちに語りかけた講演記録などを収録。
「だいたい『家庭料理』という言葉は、せまい感じがしはじめていたの。一人でも『家庭料理』と思いたいけれど、一人暮らしを家庭と呼ぶかどうか。家族とでもいいし、一人が自分のためだけの、個人が楽しむために作る料理でもいいし。うちで作ってただ食べるそのことをなんて呼べばいいかなァ」(第一章 日常茶飯より)
スタッフ感想
口にする食べものや、食に対する責任は、時代と自分にあった家庭料理の楽しみ方でいいのだと考えさせられる秀逸な本。
カツ代先生の明るい語り口調の一冊を読み終えた後は、自分に便利なことや、味のいい本当を選べばいいんじゃないかな。体が喜び、体が欲しがるおいしいものを食べようと、構えることなく、純粋に料理や食を楽しんで良いんだなぁ〜って思えました。
この本と出会った人は、「食」「料理」「家庭料理」への向き合い方が変るような気がします。