夜桜におもふ

肴で決まる日本酒の心

  日本酒はお米から生まれた日本のお宝です。 日本酒と一口にいっても、さまざまな日本酒があります。1種に銘柄を決めている人もいるでしょうが、季節や気分で銘柄も飲み方も変える楽しみ方もあります。  ”酒は肴 肴は気取り”こんなことわざがあるように、お酒の味や季節にあった肴(さかな)を考えて、食卓に並べるとそれは自分にとって、とても有意義な時間とよりお酒と肴のおいしさを高めることにきっとなるはず。何種類もはいりません、1品をお気に入りの器にのせて・・・

日本酒

■日本酒の魅力
  日本のお酒は、その味だけでなく、多くの蔵元が存在し、地域に密接にかかわっていることも魅力のひとつ。

綺麗な水、美味しいお米、そして時間をかけて造られた日本酒は、すばらしい香りと深い味わいの世界を生み出し、飲む人の感性を刺激するのです。

■日本酒の種類
日本酒といっても種類はいろいろ。お好みのものを見つけてみましょう!

<純米大吟醸酒>
  精米歩合(※)50%以下の白米、米麹、水を原料に製造され、香味(吟醸香)および色沢が特に良好なものをいいます。

原料のお米を50%以上も磨き抜き、吟醸造りで手間暇かけて出来上がったお酒は、芳醇な香りと淡麗な味。まさに日本酒の芸術品です。

(※)精米歩合とは、白米のその玄米に対する重量の割合。例えば精米歩合60%は、玄米を精米にするときに表層部を40%削り取って米糠にし、60%まで磨いていること。ちなみに、普段の食生活で食べている白米は精米歩合は約90%くらいです。

<吟醸酒>
  精米歩合60%以下の白米、米麹、醸造用アルコール、水を原料とし、低温でゆっくり発酵させるなど、特別に吟味して醸造したお酒。フルーティーで華やかな香り(吟醸香)で、のどごしもなめらか。

<純米酒>
  精米歩合70%以下の白米、米麹、水のみを原料とし、醸造アルコールや糖類などを使用しない文字通り米だけで造られた日本酒。純米酒は日本古来の伝統を守ったもので、濃厚な味と米の旨みが楽しめます。

<本醸造酒>
  精米歩合70%以下の白米、米麹、醸造用アルコール、水を原料として造られた日本酒。“特別本醸造酒”であれば精米歩合をさらに60%未満にまでしたものを使っています。

飲み口はさっぱり、香りは吟醸酒などに比べると薄いものの、飲みやすいので「吟醸酒より本醸造酒の方が好き」という人も多いのです。お値段もリーズナブルなので、普段飲む日本酒としてもどうぞ。

■甘口と辛口
  日本酒の「甘・辛」はラベルなどに書かれている“日本酒度”を見ると参考になります。

“日本酒度”は、水に対してお酒の比重を「日本酒度計」という測定器ではかります。

比重が大きいお酒はマイナス(-)、比重が小さい・軽いお酒にはプラス(+)をつけます。

糖分が多いお酒は比重が重いので(-)、糖分が少ないと比重が軽いので(+)となります。

つまり日本酒度がマイナスになるほど甘口、日本酒度がプラスになるほど辛口、ということです。

しかし、日本酒の味わいは酸度、アミノ酸、アルコール度によっても大きく変わってきますし、飲み手の感じ方には個人差もあります。

日本酒度は、甘口・辛口を示す目安とするといいと思います。

■こんな日本酒はいかが?
日本酒の種類ごとに、おすすめをちょこっとだけご紹介。

<純米大吟醸酒>
山口県・旭酒造
“純米大吟醸 獺祭(だっさい)”
獺祭は山田錦を使った純米大吟醸だけ。品質にこだわりぬいて造ったお酒は、ゆったりと贅沢なひとときを過ごしたい、という時にいいですね。

<吟醸酒>
新潟県・八海醸造
“吟醸 八海山”
ほのかな香りと繊細な吟醸香。上品な旨味が口に広がり、後味はキレがよく、なんともいえない心地よい余韻を残してくれます。

●使用米:山田錦(麹米・掛米) 五百万石他(掛米)
●精米歩合:50%
●日本酒度:+5
●酸度:1.0

<純米酒>
高知県・司牡丹
“船中八策”
明治維新の大綱は、坂本龍馬の「船中八策」によって確立されました。このキレのある日本酒を酌めば、あなたも革命児に…。

●酒質:超辛口純米酒
●使用米:山田錦・北錦
●精米歩合:60%
●日本酒度:+8
●酸度:1.4

<本醸造酒>
宮城県・一ノ蔵
“一ノ蔵 無鑑査本醸造 甘口”
昭和52年、高品質のお酒を安く消費者に提供するため、あえて級別監査に出さず2級酒として発売した本格派本醸造。辛口、超辛口も楽しめます。

●精米歩合:65%
●日本酒度:-3〜-5

日本のお酒の魅力


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