野菜をなんでも冷蔵庫に入れる人がいますが、じゃが芋は冷温障害といい(年配の人などは、よく風邪をひいたという表現をします)、10度以下の環境は大変苦手です。
そうなるといくら煮てもゴリッとして美味しくなくなります。
また、日があたると芽がでます。
籠やネットに入れて、日の当たらない風通しのいい場所に置いておくのが、良い保存方法。
環境さえ整えば、かなり保存のきく食材ですので、買い置き食材としても最適で、いざという時に大活躍することもしばしば。
一年中手に入るので、お米と同じように、キッチンに常備しておくと安心です。
ただし、春は季節がら、芽が伸びるという野菜本来の体内時計がお芋さん自体にありますので、どうやっても芽が出てきます。
この時期の買い置きは避けましょう。
調理する前に気をつけたいのは、芽がちょいと出ているもの。
芽には毒性がありますので、くりっと包丁の角か、ピーラーの芽取り部分で、くりぬくように取り除いてください。
ただし、余りに芽が出て葉まで出始めているようなら、それはもう、芋の中の栄養が摂られていて、おいしくないので、土にでも埋めて、観賞用にするのがベターです(笑)
下ごしらえは、その料理や、お芋の種類によって異なりますが、共通で言えるのは皮をむいたら、色が変わってしまうので、皮むきは調理する寸前がいいでしょう。
一般的に皮をむいたら水につけておけば色は変わらないとは言いますが、芋の美味しさの原点であるでんぷん質は確実に抜けていきますので、その辺は準備万端も注意したいところです。
新じゃがは、アクが案外強く、味がまだ浅いため、旬を感じるにはいいのですが、素材で美味しいと言わせるには難しく、油でいためたり、香辛料をつかったり揚げ煮したり、味をコテッと甘辛にしたりという工夫が必要ななので、材料表で新じゃが芋と限定した書き方になっていることが多いのです。
調理法によって様々な食感が楽しめ、火加減や、かける時間で甘さも変わり、応用範囲が広いのも、じゃが芋の大いなる魅力です。
【肉じゃが】
Q 煮汁がじゃぼじゃぼ残ってほっくり仕上がりません
A
肉に味付けしてからじゃが芋を入れるのよ
強めの火で一気に煮ると、ほっくり味もしっかりします!
じゃが芋と、水を最後に加えて、強めの中火でワーッと一気に煮上げると、煮汁が蒸発するのも早いので、じゃが芋が柔らかくなると同時に、ほっくり出来上がるというわけです。
でも、味がしみ込まないのでは?っと心配する人もいるでしょう。大丈夫!最初からしっかり味をつけた肉と一緒に煮ることで、より味わい深くなるというもの。
表面はこってり、中にいくほど薄味でじゃが芋本来のうまみも残っているので、メリハリのある美味しさに仕上がります。
【コロッケ】
Q パンクしてしまいます
A
たねはしっかりさましましょう!
パンクの大きな原因は、揚げる時より、衣をつけるまでの過程にあります。
まず、じゃがいもがみずっぽかったらダメ!ホクホクの粉ふき芋になるまで、水分をしっかり蒸発させておくことが大切です。
最大のポイントは、しっかり丸めて、きちんと衣をつけること。どちらもじゃが芋が熱いとうまくいきません。
【フライドポテト】
Q 外はカリカリ、中はほっくりに仕上がりません
A
低温の油からじっくり揚げましょう。
フライドポテトは、油が熱くならないうちから、ジワジワ―ッと揚げ始めるのがコツ。油っぽくなるんじゃないかと思うかもしれないけど、そんなことはありません。
この揚げ方は、よく使う冷凍フライドポテトの時に、いっそう効力を発揮します。
冷凍フライドポテトの表示は、170?180℃で揚げるとありますが、その通りにやって失敗しなかった?表面はこんがり揚がっているのに、食べたら中は生揚げでガッカリ、のことが多くないですか?
【ポテトサラダ】
Q マヨネーズ味が決まりません
A
じゃがいもが熱いうちに酢をかけて!
味がしみこむ、味が引き立つ方法を考えて!
マヨネーズ味だからってマヨネーズを多く使えばいいってもんじゃない。びしゃびしゃのポテトサラダは悲しいですよね。ちゃんとほっくりしたじゃが芋味があって、でも適度に酸味がなじんでいる頃合いが美味しいんです。
じゃが芋が茹であがったら、粉ふき芋を作る要領でしっかり水分を飛ばし、アツアツの味が馴染みやすいところに酢と塩をふる。この下味をつけるかつけないかで全体がきりっとしまるか、寝ぼけるかが決まるということを覚えてくださいね。