ゆでるときは、必ずたっぷりの煮立った湯に入れること。あく抜きに塩を小さじ1は入れる。さてカツ代流のゆで方の特徴は、世の中の常識とは少し違っていて、固い茎からではなく、葉のほうから湯に放つ。
そして、入れてから菜箸で一度に、一度茎をもって裏返し、湯がもう一度煮立ったときがほぼゆだったとき。ザルにあけ、大急ぎで2〜3回水を取りかえ、きれいな冷たい水に10分、ひたしておく。
なぜ葉のほうから先に入れるかというと、茎のほうからだと上の方で元気に葉がバサバサともたついて、湯にスムーズに入っていかず、熱が伝わりにくいが、葉からだと根にむかって一気に熱が伝わり、不思議なくらい早く行儀よくゆだるからである。
えっ!?と驚いた人は、頭で料理をしないで、まずはご自分でやってみると、そのうまく茹で加減に、納得できるはず。真実は現場でおきているんですよ。
そして、次なるコツはきれいな冷たい水にさらすことがとても大事。生ぬるい水にさらすのでは、“さらす意味”がない。ピカピカのほうれんそうのお浸しは、まずこれが一番。味が大違いである。
定番のお浸し、胡麻和え以外にも、バターやチーズ、ヨーグルトなどとも相性よしで、グラタン、キッシュ、タルト、シチューに入っていれば、何だか妙に嬉しくなる。ピューレにすればソースにも、カレーにも、スープにもなり、卵と組み合わせれば、西洋風のオムレツも、日本風の卵とじも出来てしまう。
酢や油ともすんなり合うので、サラダやナムルにしても美味しい。さすがは中近東から世界中に拡散し、多くの人々に受け入れられてきた野菜。
ほうれん草のあのひときわ濃くあざやかな緑色が多くの国の人々を元気にしてくれているに違いない!
【ほうれん草のおひたし】
Q いつもシャキッと茹であがりません・・・
A
葉っぱの方から湯に入れた方がいいって知ってた?
No7の調理・取り扱いでお話ししたけど、お浸しをシャキッとさせるには、火が通る入り口は葉先にあると思って。
根から熱湯に入れるのが常識ですが、カツ代流は逆。何と葉先から入れるの。こうすると葉からスッと火が通るし、まとまりやすいので箸で返すのも簡単なんです。
扱いやすいから必要以上に長く熱湯で茹でることもないし、1分くらいで茎も柔らかくなるので、そのタイミングを逃さずすぐ冷たい水に放つことができます。
あとは上記の通りに水をかえ、冷たい水にさらせば、ほうれん草の細胞が”しゃんと”する感じに仕上がります。