大根

4回目 大根の調理・取り扱い
7 調理・取り扱い
さて、大根は大きく分けて、「葉」「葉に近い上の部分(青首なら青い部分)」「真ん中」「しっぽの方」と部位を4つに分けられます。

「葉」は緑の葉物と考えてください。外葉は固いですから、食べるのには向かないことも多いので、そこは外した方がいいこともあります。中の柔らかな部分を食べてみてください。

”大根おろし”は「葉に近い上の方」で作ると甘いですね。
千切りのサラダ、薄切りにしてノリや刺身用の鮭を挟んでも生で美味しく食べられます。

「真ん中」は色も白く仕上がり、癖がなく甘い部分ですから、煮物や洋風料理にもなんでもいけます。繊維もきめ細やかです。

「しっぽの方」は”辛さ”が特徴です。のんべえさんには、この辛みが良いようですので、塩サバなど青背の魚の塩焼きには、この辛みのある大根おろしをそえると喜ばれることが多いようです。
近年は全体が辛みのあるおろし大根と言うのもずいぶん見かけるようになりました。

「しっぽの方」の根は上の部分は甘いので、おろしやサラダ、色を気にしなければ何にでも向いています。

また皮は、根部分を守るためでもあるので、土壌のとの関係もありますが、本来皮は、独特の辛みとシャキシャキとした心地いい食感があるので、捨てずにきんぴらなどにも美味しくいただけますし、塩炒めなど、いい肴になること間違いなしです。

大根の取り扱い図

 煮物にする大根は、冬の収穫したてなら要らないこともありますが、下ゆでしてから煮ることが多いです。大根は煮えるのに時間のかかる野菜ですので、ある程度下ゆでしてから煮汁で煮るほうが、味のしみ込みがよく、かえって早く煮えることが多いのです。

と言っても、味噌汁程度の量の大根を使う場合は、夏大根でも冬大根でも下茹では不要です。

おでんなどといった料理は、下ゆでした方がより味が垢ぬけますので、このあたりの情報は常識として頭に入れておく方がベターです。

調理の基本として覚えておきたいのが煮れば煮るほど、柔らかくはなりますが、食物繊維の多い野菜は調味(塩分)が入るとキュッとしまってしまい、それ以上柔らかくなりません。いわゆる箸を入れてスーッと切れる熱々の状態に大根の煮物の仕上がりには遠くなってしまうのです。

又、昔の大根はサラダにするなんてことは、ありませんでしたが、青首大根の広がりとともに、アクもほとんどなく、食べやすいことから、和だけでなく洋風、中国料理にも幅広く使われます。

大きく切る、小さく切る、おろす、皮ごと切ってみる、切り方、繊維の方向などそれぞれ味わいも、食感も異なりますので、一年中、ことに冬の味は格別ですから大いに大根料理を楽しんでください。

いろんな調理で節約メニュー


8 調理のお悩み
【大根サラダ】

Q シャキシャキしないんです・・・

 ビールのお供にも、こってり味の料理にも、さっぱりすがすがしくて相性抜群の大根サラダ。みずみずしさを生かして仕上げるにはどうしたらいいの?

A 繊維に沿って切ること!

 繊維を残す切り方なら、爽快な歯ざわりに!

大根は切り方次第でまるで違った味になります。繊維に沿えばパリパリ、シャキシャキ。繊維を断つように切れば、水気が出るのでしんなりやわらかな歯ざわりに。

縦に通った大根の繊維を意識して、シャキシャキなら縦、縦と覚えておいて。

それでもドレッシングをかけて長くおくのは禁物。何といっても大根は水分が出やすい。氷水でシャキッとさせたら水気をよくきって器に盛り、ドレッシングは食べる直前にかけてくださいね。


1回目 大根の歴史・種類
2回目 大根の栄養・薬膳・効用
3回目 大根の旬・買いもの・保存

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