肉をつかった煮物。その代表たるや、カツ代の肉じゃが。かつて料理の鉄人という番組で鉄人に勝ったという歴史に残る一戦と言われた。
その勝利のカギをにぎったのがこの肉じゃがの作り方。肉には味がしっかりついているほうが人間は美味しいとおもう。いっぽう、野菜に味が濃すぎると煮物としてのバランスが悪いどころか、野菜の味が濃すぎると美味しいと感じない。
そこで、肉に味をしっかり付けた後、野菜を加えて仕上げる。こうすることで、肉はコッテリ、野菜はあっさり、肉じゃがにおいては、芋がほくほくとじゃが芋のいいところは残したままの煮物になる。
肉じゃがだけではなく、お肉を使った煮物はこの煮方がほとんど当てはまる。同じ食材におなじ調味料でも、その手順で、味は大きく左右されるという、料理は化学であり、科学だといういい見本。