近頃、薬局に行くと、ごぼう茶やごぼうチップスなどが売られていますが、栄養学的にはどうなのでしょうか?
女子栄養大学(KATSUYOレシピ内の栄養計算担当、加藤智美先生の出身校)の資料によると、野菜の中でも、際立って食物繊維が多く、この食物繊維には“イヌリン”と呼ばれる物質が含まれており、血糖値の上昇を抑える働きがあります。また“リグニン”という物質も含まれ、これはコレステロールの低下や、腸内で有害物質を付着させ排出させたのち、血糖値の上昇を穏やかにしてくれる効果があるそうです。
“イヌリン”は水溶性、“リグニン”は不溶性であり、この2つの食物繊維の働きは高脂血症、糖尿病、大腸ガンなどの生活習慣病の予防が期待できるとされています。
これらのことは、栄養学的な見地から言われていることですが、中国から日本に入ってきた植物などを含めた薬物書『本草網目』(1607年)や、その後、この本の強い影響を受けて、日本人医師の人見必大氏によって編集された『本朝食艦』(1697年)という文献書があり、この中では庶民が日常生活の中で食べていいもの、悪いものなどが、今でいうところの食事療法的な知識や、医学的な見地から例えば、ごぼうの効能と効果について、糖尿病の症状緩和や、今でいう脳卒中の予後、身体を軽やかする、老化防止、血行の巡り、風邪の予防、予後に良し、利尿作用などが書かれていました。
今でこそ科学的に解明されている効能と栄養学ですが、こんなにも早く、素晴らしき先人が今と同じようなことを書いて、人々に広めようとしてくれていたのです。これはなんて、スゴイことでしょう!!