汁ものにちょっと加えると、
味がパっと引き立つものをいう。
豚汁に七味唐辛子やこしょう。
吸いものにへぎ柚子や木の芽、
かき玉汁におろししょうがなど、
あるとないとでは味がまるで違う。
私の育った大阪では特にに吸い口に気を配る。
肉うどんは牛肉に粉山椒。豚を使ったうどんには、おろししょうがを吸い口にする。冬瓜のみそ汁に溶き辛子。冬瓜の清汁にはおろししょうが。花巻そば。(ざるそばの温かいもの)にはわさび。
大阪のうどん屋は、七味、粉山椒、わさび、おろししょうがなど、うどんの種類によって使い分ける。豚汁には、七味よりほんの少しのこしょうをふることによってグンと味はアップする。
きゅうすや土瓶の口を吸い口という。
吸い口の本来の意味は、
キセルの吸うときの口にある部分のこと。
ちなみに、土瓶を知らない若者もいる。下のイラスト参照すべし。
入院するとき、寝た姿勢で水を飲むための、きゅうすを小さくしたようなものを用意するようにいわれる。そんなとききゅうすもっていくと恥をかく。薬局に打っているこれも「吸い口」。
きゅうすや土瓶は湯のみなどに注ぐためのものだが、病人が使う「吸い口」は、直接口をつけて水分をとるように作られたもの。
こちらの吸い口をくわえても行儀が悪いとはいわれないので、安心して養生あれ。