夏の終わりのお肌
夏も終わり、ギラギラの太陽に浴びたお肌を秋にはいたわるべく、女性にとっては嬉しい特集をしています。その前にちょっとした知識を頭に入れておくと、もっとわかりやすくなりますので、ぜひ下記を読んでみてください。お話はチームカツ代/国際薬膳師の吉開先生のお話です。
【肌は内臓の鏡】
強い日差しを浴びていた肌。秋はシミやくすみが気になり出す頃です。シミやくすみ以外にも、きめが粗くなったり、肌荒れが目立ったり、むくみや顔色がさえない…こんな症状も出やすい時です。
その原因として考えられるのは、連日続いた熱帯夜の日々、寝苦しい夜の睡眠不足。エアコンの室内と外の暑さの気温差。これだけでも、身体に疲れがたまっているはずです。
他にも、発汗とともに体内の気血を消耗し、気血の質と巡り(めぐり)が悪くなっていること。冷たいものの摂りすぎなどで“脾”(消化器官のこと)に負担がかかり、お腹が弱り気味になって栄養が吸収されにくくなっていること。体内の水分代謝がうまく行われなくなっていること。
いよいよ季節は本格的な秋に入り、空気はもっともっと乾燥していきます。今の疲労を残したままにしておくと、肌の代謝機能はどんどん低下し、パサつきやすくなり、弾力やハリ、潤いまで失ってしまう可能性もあります。今が肌にとって、とても危険な季節かもしれません。
気候・季節など外界の変化をもっとも受けやすい“肌”ですが、中医学には、“肌は内臓の鏡”という言葉があります。
この言葉は、肌は体の表面の状態だけではなく、体の内臓(五臓のことで肝・心・脾・肺・腎という言葉をつかいます。)の状態を表すという考え方です。
健康な肌は、五臓(肝・心・脾・肺・腎)をきちんと調え、バランスよく働かせることから生まれるといいます。
体内に栄養を含んだきれいな“血”がサラサラと流れ、十分に満たされた“気”が滞りなく巡ります。すると老廃物などがスムーズに体から排出され、適度な水分で潤っている状態を保っていれば、美しい肌はおのずから手に入るというわけです。こうなったら、しめたもの。いろんなものを肌の上からつけなくても、元気な美しいお肌は女性の理想ですね。
食事以前に気をつけること
さて、髪と爪に関して、中医学には“髪は血の余り・腎の華(はな)”といい、髪の状態は腎の機能と血液の状態によるところが大きく、髪を美しく保つには、腎機能を強化し、血液を養うことを心がけます。
爪には“肝の華は爪にあり”という言葉があります。爪は肝の状態をもっともよく表すという意味で、肝を丈夫にし、血行をよくすることで、爪の美しさが保てるという考え方です。
髪も爪もお肌の一部、栄養をしっかり与えてあげたいですね。
皮膚細胞は通常4週間ごとに新しいものに生まれ変わると言われますが、残念ながら年齢とともにそのサイクルは遅くなってくるのです。
食べものが体も肌もつくっていることを考えれば、バランスのよい食事で体の新陳代謝を促し、質の高い肌代謝(ターンオーバー)を目指しましょう!
バランスのよい食事とは、栄養学では、必要な栄養素をまんべんなく摂ること。薬膳(中医学から考える食事学)でいうバランスとは、不足を補い、余分を取り除くこと。
つまり体の弱っているところを補強し(「補」)、体に溜まった老廃物はスムースに排泄させること(瀉<しゃ>)を基本にしています。
例えば、気力、体力、血液、体液、骨などをつくるには「補」の性質を持つ食べものを積極的にたべましょう。
逆に便秘をしたり、体内に水分が停滞したり、血行が悪かったり、肥満などには「瀉<しゃ>」の性質を持つ食べものを摂るようにしましょう。