自然の消化剤と言われる程、胃腸の働きを活発にしてくれます。澱粉分解酵素の“ジアスターゼ”は消化を促し胸焼け、胃もたれ、二日酔いなどに効果的です。また、抗ガン効果のある酸化酵素の“オキシターゼ”も含まれています。大根に含まれる豊富な食物繊維は腸を整え、便秘解消、大腸がんの予防や吹き出ものの予防にも役立ちます。
ビタミンCも豊富ですから、疲労回復や、美肌にも効果的。高血圧に効果を発揮するカリウムも多く、皮には毛細血管を強くするルチンも含まれています。葉にはβ-カロテンやカルシウム、食物繊維も豊富です。さらに、切ったりすりおろしたりすることで出てくる辛味成分のイソチオシアネートには、消炎や殺菌の働きがあり、かぜ予防にも効果的です。
調理・取り扱い
大きく分けて、「葉」「葉に近い上の部分(青首なら青い部分)」「真ん中」「しっぽの方」と部位を4つに分けられます。
「葉」は緑の葉物と考えてください。外葉は固く食べるのには向かないことも多いので、中の柔らかな部分を食べてください。
大根おろし用には「葉に近い上の方」で作ると甘いです。千切りのサラダや薄切りにして、ノリや刺身用の鮭を挟んでも生で美味しく食べられます。
「真ん中」は繊維もきめ細やかで色も白く仕上がり、癖がなく甘い部分ですから、煮物や洋風料理でもなんでも美味しいです。
「しっぽの方」は“辛さ”が特徴です。塩サバなど青背の魚の塩焼きには、この辛みのある大根おろしをそえると喜ばれることが多いようです。
また皮は、独特の辛みとシャキシャキとした心地いい食感があるので、捨てずにきんぴらなどにも美味しくいただけますし、塩炒めなど、いい肴になること間違いなしです。
戻し水にも栄養たっぷり!
保存食として知られている「切り干し大根」「割り干し大根」「ゆで干し大根」には、生の大根よりも旨味がぎゅっと凝縮されており、カリウムや鉄分、カルシウムなどの栄養価も一段とアップしているのです。
また、大根を戻した際の水にも栄養が溶け出しているので、上手く調理に取入れましょう。
調理の基本をおさえよう!
煮物にする大根は、下ゆでしてから煮ることが多いですが、冬の収穫したてのものでしたら不要なこともあります。大根は煮えるのに時間のかかる野菜ですので、ある程度は下ゆでしてから煮汁で煮るほうが味のしみ込みがよく、かえって早く煮えることが多いです。
おでん用として使用する場合は、下ゆでした方がより味が垢ぬけますので、常識として頭に入れておきましょう。
食物繊維の多い野菜は煮れば煮るほど、柔らかくはなりますが、調味(塩分)が入るとキュッとしまってしまい、それ以上は柔らかくならなくなってしまうことを覚えておきましょう。いわゆる箸を入れてスーッと切れる熱々の状態から遠くなってしまうのです。